ななころびやお記

27歳国語科。「ことばを介して仲間とつながる」をテーマに日々奮闘中。国語の授業、中学生とのクラスづくり、部活運営、ちょっとした工夫などを中心にゆるゆると日頃の思ったこと、気づいたこと、思いついたことを書き綴っていきます。

【学級経営】書評:どんな学級にも使えるエンカウンター20選

構成的グループエンカウンターに関する書籍の中でも、勉強になったと私が思った本をご紹介します!今回は学級経営です。

 

どんな学級にも使えるエンカウンター20選 中学校

どんな学級にも使えるエンカウンター20選 中学校

 

 
 

そもそもエンカウンターって??

〔構成的グループエンカウンターとは〕

本音と本音のふれあいによる自他発見を通して、参加者の行動変容を目標とする「集中的なグループ体験」のことである。究極的には人間的成長をめざしている。

このように、構成的グループエンカウンターは、「人間は心と心のふれあいの中で成長する」という考え方をベースにして、集団の中での体験学習による自己の成長を目的としている。エンカウンター(encounter)すなわち「ふれあい」には、「人とのふれあい」だけではなく「自分自身とのふれあい」がある。

(本書P.19)

 

詳しくは、こちら(構成的グループエンカウンター)が公式のサイトです。

 

推薦理由1:どうすればいいかわかりやすい

明里先生は、冒頭で次のようにも述べています。

構成的グループエンカウンターやエクササイズを紹介することが目的ではない。担任が『学級が変な感じがする?なんとかしなければ……』と思ったときに読んでほしい本である。

 

この本は、エンカウンターがうまくいかない場面の想定が非常に細やかになされています。

エンカウンターに抵抗がある生徒というのは、4月当初多く見られるものかもしれませんが、そんなときにどのように切り返せばよいのかを、具体的な行動レベルで書いてくださっています。

例えば、グループ作りに抵抗があった場合はどうするのか、シェアリングの仕方・段階、反発があったらどうするのか・・・など。

一般的な解説書やエクササイズの紹介本ではここまで細かくかみ砕かれて書かれなかったものも多かったように思います。

 

推薦理由2:うまくいかない人も勇気づけられる

この本を読むと、エンカウンターをやってみたけれど上手くいかなかったとき、またやってみようかなと思えます。

 

本書は、「こまった学級」にエンカウンターを導入しようと頑張っていらっしゃる先生方を想定して書かれています。

しかし、「こまった学級」では、概説的に書かれた本や、エクササイズ集の知識だけでは、うまくいかないことも多い…。

そんなとき、本書のようにねらいのはっきりした情報は入ってきやすいと感じます。

生徒の反応、それに対する切り返し、リーダー(担任)の進め方や考え方など、あらゆる角度から振り返らせてくれます。

 

本書より、要チェック!失敗しやすい考え方

思い込み 1「エンカウンターをやれば学級が変わる」

思い込み 2「エクササイズをやると、生徒は教師の言うとおりに動くものだ」

思い込み 3「全員が『よかった、楽しかった』と言わないエンカウンターは失敗だ」

思い込み 4「面白おかしいのがエンカウンターだ」

思い込み 5「このエクササイズが生徒にウケそうだからやってみよう」

思い込み 6「自分が体験してよかったから、生徒もよいと感じるはずだ」

思い込み 7「ウォーミングアップを必ずしなくてはならない」

 

 

「あるある」とか、先輩方に言われたことあるなぁとか思いながら読みました。

 

安心していただきたいのは、いきなりくじかれるようなことはありません(^^;

明里先生のお人柄、そして本書のねらいを考えた結果このような書き方になっているのだと思いますが、最終的に「こうすればいいのか…ならやってみようかな」と思えます。

 

「エンカウンターをやってみたけどうまくいかなかった」

→「エンカウンターはだめだ」/「自分には向いていないんだ」

と思われた方はぜひ読んでみていただきたい本です。

 

推薦理由3:広すぎず深いエクササイズ紹介

エンカウンターをやっていると、「これと似たタイプのエクササイズないかな・・・」

「でも、勝手に変えたら、本来の効果が薄れてしまわないかな・・・」

そんなことを不安に思うことがあります。

しかし、本書では、使いやすいエクササイズのタイプに絞りつつ、応用のアイデアを豊富に載せています。

たとえば、「よいところ探し」は5種類、「私はわたし」も3種類載っています。

このようにやればよかったのか、と、単なるエクササイズ集では学べなかったことを吸収できます。

 

推薦理由4:「國分エンカウンター」を学べる本である

「本書が読ませる本であるもう一つの要因、それは明里の文章力にある。彼の文章はヨコ文字をタテに直した文章ではなく、読者の心に響く文章である。それは、(1)体験を概念化し、(2)例や自己開示で状況をビジュアライズし、(3)結論から先に述べているからである。これもまたSGEリーダーに模倣してほしい文章作法である。」

 

監修者の國分 康孝先生や、國分 久子先生の文章です。

書かれている通り、非常に明里先生の文章は読みやすく、私のような経験の浅い人間にとっても非常にイメージしやすい書かれ方をしています。

 

また、構成的グループエンカウンターは、國分 康孝先生・國分 久子先生が提唱した、「育てるカウンセリングの技法」ですが、その普及・拡大によって、だんだん本質からそれてしまっている「エンカウンターもどき」が存在するともいわれています。エンカウンターを単なるレクリエーションと捉えてしまっているような本がこれにあたります。

しかし、本書は、國分先生の監修のもと作成された「國分エンカウンター」の本であることから、安心して学ぶことができるということでオススメです。

 

いかがでしたか。

新しく本を手にすると、目の前の子たちを想像しながらわくわくする自分がいます。

みなさんもぜひ手にとってみたらいかがでしょうか(^^)/