ななころびやお記

27歳国語科。「ことばを介して仲間とつながる」をテーマに日々奮闘中。国語の授業、中学生とのクラスづくり、部活運営、ちょっとした工夫などを中心にゆるゆると日頃の思ったこと、気づいたこと、思いついたことを書き綴っていきます。

心理学的モデル「ジョハリの窓」をつかった自己のあり方を見つめる授業

ジョハリの窓はご存知でしょうか。

 

ジョハリの窓(ジョハリのまど、英語: Johari window)とは、自分をどのように公開ないし隠蔽するかという、コミュニケーションにおける自己の公開とコミュニケーションの円滑な進め方を考えるために提案されたモデル。

 

自己には「公開された自己」(open self) と「隠された自己」(hidden self) があると共に、「自分は気がついていないものの、他人からは見られている自己」(blind self) や「誰からもまだ知られていない自己」(unknown self) もあると考えられる。

これらを障子の格子のように図解し、格子をその四角の枠に固定されていないものとして、格子のみ移動しながら考えると、誰からもまだ知られていない自己が小さくなれば、それはフィードバックされているという事であるし、公開された自己が大きくなれば、それは自己開示が進んでいるととる事が出来るだろう。

コミュニケーション心理学や健康心理学などでは、よく話題になるモデルである。

 

f:id:hrcdf465315:20160702002204p:plain

ジョハリの窓 - Wikipedia

 

教育現場でも広く認知されている手法で、授業で実践されている方も多くいらっしゃいます。

この手法は1年目に教えていただいてから、今年で5年目、計9回の実践をしました。

 

私は毎年、その実践の中で少しずつやり方を変えて試行錯誤していますが、今回は、今年度の取り組みをご紹介します。

 

ねらい:「いま、ここ」の自分を見つめ、ありたい自分への方向性を考える。

 

発問①:自分のことをクラスの仲間はどれだけ理解してくれていると思いますか。

他者→自分の理解度を、どのように認知しているかを問います。

 

発問②:では、自分のことを自分で、あなたはどれだけ理解していると思いますか。

自分→自分の理解度を、どのように認知しているかを問います。

 

自己開示①:私自身の考えを正直に伝える。

自己開示をすることで、モデリングすることは、「これでいいのかな?」と不安な子に対して一つの勇気づけになればと思ってやっています。

私が正しいということを示したいわけではなく、安心して取り組んでもらうための下準備だととらえます。

今年の私は、クラスの子たちとの関係を踏まえ、以下のようにお話ししました。

 

私は、自分のことを理解している自分を「6割」としました。なぜかというと、26年生きてきた中で、だいぶ自分とは向き合ってきたはずだと思っている自分がいる、その反面で、なぜかムシャクシャしたり、理由もわからず落ち込むことがたまにあるからです。そして、○組の仲間が自分のことを知っているのは「3.5割」としました。4月からの3か月で、あなたたちと接している時間の中で、少しずつ、自分のことを知ってもらえました。でも、逆にまだ、もっと語れることも、見せられる自分もあったように思います。

 

実践:ジョハリの窓を使う

ワークシートに書かれた正方形に縦線と横線を引き、窓を4つに分けます。

これを、私の例を使って例示したあとで、取り組ませます。

 

ジョハリの窓での4つの窓は以下のように定義されています。

 ① 開放の窓…自分も他人も知っている自己

② 盲点の窓…自分は気がついていないが、他人は知っている自己
③ 秘密の窓…自分は知っているが、他人は気づいていない自己
④ 未知の窓…誰からもまだ知られていない自己

この時に大切にしているのは、「いま、ここ」の自分を知るということであって、それ自体が自分を評価しているわけではないということです。

盲点が大きいから恥ずかしい人だ・・・秘密が多いから仲間を信じていないダメな奴だ…

というのではありません。

 

自己開示②:結果を踏まえて、「私はどうありたいのか」を語ります。

今回は、

結果「秘密の窓」が大きかった私は、「ありたい自分」ではなかったことに気づきました。

もっと、「開放の窓」が大きくなれば、ありのままに自分を表現できるようになると思うし、そうなりたいと思います。

といった具合で行いました。

 

シェアリング:あなたたちはどう感じましたか?隣の人と語り合ってみよう。

今回は、1人30秒ずつ語ってもらいました。

「同じくらいしゃべる」という対等な条件で話をしてもらうことで、「話好きだけの一方的な自己開示」に終えたくなかったからです

 

どうしたらいいのかを具体例を含めて紹介する。

  • ヨコ線を上下に動かすことに関係しているのが「自己開示」
    自分を知ってもらえば、秘密は減ります。
    たとえば、自分の価値観(ex.お金より愛が大切)を語ること、自分の感情(ex.うれしい、悲しい、幸せ、さびしい)を語ること。
  • タテ線を左右に動かすことに関係しているのが「フィードバック」
    仲間に自分の見られ方を伝えてもらえば、自分の知らなかった自分に気づけます。
    たとえば、「あなたって服装に気を使っているのね。」「そういう、さっと気付いて給食当番を手伝ってくれる気遣いが素敵だね。」

 

こうして、のちの授業につないでいくと、構成的グループエンカウンターをはじめとした、「個人としての自分」や「集団の中の自分」のありかたを考える手がかりになると考えます。

今回は時間があったので、「二者択一」「よいところ探し」という二つのエクササイズを通して、軽い自己開示とフィードバックを体験してもらいました。

 

そして、最後に「ところで、実は、これが大切なことなのですが、「自己開示」も「フィードバック」も授業でしているのなんてほんの1割なのです。さて、残りの9割はいつやるのでしょう?」とふって授業は終了です。

いかがでしたか?気軽に取り組めますが、きっかけづくりにはなかなか扱いやすいエクササイズです。

よかったらみなさんも実践されてみてください(^^)/

 

ジョハリの窓は、よく行われている元の展開では、「二者択一」と「よいところ探し」という二つのエクササイズではなく、「私の四面鏡」に近いエクササイズにつなげる、という点も補足しておきます。

詳しく調べたい方はこちらのサイトをご覧ください。

matome.naver.jp